概要と歴史
創業と初期 ― カウンター/タイマーからスタート
- Kessler-Ellis Products(以下、KEP)は、1961年に米国で創業された企業。創立者は Corson Ellis Jr.。当初は「Machine Shop(機械加工所)」としてスタートした。
- 1960年代初頭には、電気機械式のカウンター(計数器)やタイマーなど「エレクトロメカニカル・カウンティング機器」の販売を開始。そこから間もなく、カウンティング製品のフル・ラインナップメーカー/ディストリビューターへ発展。
事業拡大 ― 流量計測/PLCインターフェース/HMI へ
- 1980年代に入ると、KEPは単なる「カウンター屋」から転換。流量測定(フロー)機器および PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラ)向けの HMI(オペレーターインターフェース)製品の開発に乗り出した。
- この方向転換により、バッチコントローラ(一定量ずつ流す制御装置)、マスフローコンピュータ(質量流量計算器)、信号コンディショナ、ループパワード指示器など、多彩な「流体/プロセス制御機器」のラインナップが整備された。
- また、HMI/SCADA(監視制御システム)ソフトウェアや、LCDディスプレイ、タッチパネル、オペレーター用インターフェース、産業用表示器など、産業オートメーションの「見える化/操作系」製品群の提供も開始。
多角化とグループ展開 ― KEPtel, KEPware, KEP Marine 等
- 1987年には、姉妹会社として KEPtel を立ち上げ。通信分野を手掛け、わずか7年で売上5,000万ドルを達成。その後、1994年にAntecに売却された。
- 1990年代後半には、姉妹会社 KEPware を設立。OPCサーバという産業オートメーション分野の通信/データ交換技術で成功し、売上2,000万ドル規模に成長。2016年、米PTC社に売却された。
- 2000年代初頭には工場用ディスプレイ、産業用表示器のノウハウを活かし、特に「海上(マリン)用途対応」の“sunlight-readable(直射日光下でも読める)”産業/船舶用ディスプレイ製品群を開発。これが姉妹部門 KEP Marine となり、15 年ほどマリン向け製品を提供したが、最終的に 2015 年に Sparton Corporation に売却された。
- また、2013年には製造パートナーだった RRJ Contract Manufacturing(ニュージャージー州)を買収。これにより、自社内で EMS/契約製造(コントラクト・マニュファクチャリング)機能も強化し、多品種少量やカスタム製造への対応力を高めた。
現在の事業内容と強み
製品ポートフォリオ
現在のKEPは、以下のような幅広い製品とサービスを提供している。
- 流量関連機器(バッチコントローラ、マスフローコンピュータ、信号コンディショナ、ループ指示器など)
- 産業用カウンター/タイマー/レートメーター/トータライザー(積算計)など計測機器
- PLCオペレータ用インターフェース(タッチパネル、HMI、産業用 LCD/表示器)
- HMI/SCADA ソフトウェア — 制御監視、データ取得、ロギング、トレンド、遠隔アクセス、IIoT対応など
- 契約製造(コントラクト・マニュファクチャリング)サービス — 顧客仕様のカスタム製品製造対応
IIoT/スマートファクトリーへの対応
KEPは近年、「Industrial IoT(産業用モノのインターネット)」領域を重要な成長分野と見据えている。古くからあるセンサーや機器を“スマート化”し、データ通信、およびPC/クラウドへの統合、見える化、トレンド管理、予知/予防保全(predictive/preventive maintenance)といった機能を提供することで、既存設備の近代化や効率化を支援。
グローバル流通ネットワークと認証
- 本社はアメリカ・ニュージャージー州の Eatontown。
- 世界中に約200のディストリビュータおよび販売代理店を持っており、多国・多地域で製品提供が可能。
- ISO 9001(品質マネジメントシステム)認証を取得。製造品質、信頼性、アフターサービスを重視する姿勢が明記されている。
過去の転機と企業戦略
- KEPtel や KEPware の設立と売却 — これらの姉妹会社はそれぞれ通信技術、産業用ソフトウェア(OPCサーバなど)で成功を収め、一定の成果をあげた後に売却。これにより、KEP本体は「コア技術 + 製造 + 流通網 + 品質管理」に専念する構造を得た。
- マリン向けディスプレイ事業(KEP Marine)への参入と、のちの売却 — 産業/船舶用途の特殊環境対応ディスプレイ市場に挑戦し、そのノウハウ・技術を伸ばした後、売却によって再集中と資源の再配置を図った。
- EMS(契約製造)機能の強化 — RRJ Contract Manufacturing の買収により、顧客仕様への柔軟な対応力やスピード、生産能力の拡張を実現。これにより、単なる「自社製品メーカー」から「お客様仕様の機器を製造するパートナー企業」へと進化。
- IIoT / スマートファクトリーへのフォーカス — 産業用制御機器、HMI、流量・プロセス機器といった既存の強みを活かしつつ、“データ化・ネットワーク化・近代化”という産業トレンドに適応。これが現在のKEPの差別化要素のひとつ。
サプライチェーン情報
弊社の流通中古市場調査で、KEP製の製品・部品は約30,000種類確認されています。
また互換・同等の製品・部品を供給している会社・ブランドは以下の通りです。
KESSLER ELLIS 57
上記のサプライチェーン情報は2025年 12月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。
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